ー知覧醸造さんの事業についてお教えください。
知覧醸造は1919年に創業、今年で100年と少し、私が4代目になります。さつまいもを使っての芋焼酎をずっと作ってきております。それに加えて、(南九州市は)産地でもあるので、初代からお茶の栽培、製造をし今日まで営んでおります。
ーどのような商品があるのでしょうか?
「ちらんほたる」と「知覧武家屋敷」が主力商品です。最近では、お茶を栽培しながら芋焼酎も作っているので、お茶と芋焼酎で何かできないかと考え、「知覧 Tea 酎(ちらんてぃーちゅう)」という焼酎を作りました。今回、輸出を考える中でフランスにてコンクールがあったため、「知覧 Tea 酎」の評価を聞きたいと思い出品いたしました。最終的には、最高賞をいただきすごく光栄です。(Kura Master2021日本酒コンクールおよび本格焼酎・泡盛コンクールにて受賞)
「知覧 Tea 酎」は芋焼酎がベースになりますが、お茶の香りをどのようにお酒の中にもっていくかを工夫しました。お茶自体は毎年香りが全然違いますので、使用するお茶のブレンド比率を決めるのがすごく大変です。焼酎はそこに合わせて毎年作っているつもりですが、そこに香りをどう加えていくかというふうに考えて設計して作っています。
Kura Master2021日本酒コンクールおよび本格焼酎・泡盛コンクールにて最高賞を受賞した知覧Tea酎
ー知覧茶の素晴らしさについてお教えください。
温暖な気候があるため、いいお茶ができるのと、品種が豊富であることです。鹿児島特有のお茶の葉があり、メインで作るのは「やぶきた」という品種があり、それ以外にも「ゆたかみどり」、「さえみどり」「あさつゆ」など、これらをブレンドするとすごく味わいを引き立ててくれます。品種の豊富さ、環境の良さがお茶の生産量も日本一であるという意味だと思います。
ー南九州市の魅力はどのようなところですか?
この街は時間がゆったり流れてるというのが感想です。鹿児島は桜島というのが当たり前になりますが、この南九州市には開聞岳(かいもんだけ)がすぐ近くに見えて、その後ろにそびえ立つ屋久島もうっすらと海の向こうから見える日があります。それを見た時は、すごく爽快な気分になります。キャンプ場や小川も流れる公園もありますし、そして海もありますので、家族が一緒に来ても1日ゆっくり楽しめる場所があります。自然に恵まれているので、住むだけではなく、子育てに関してものびのびと育てられる環境があると思います。
ー御社や南九州市が抱える課題はございますか?
この知覧 Tea 酎をしっかりと国内で売っていきたいのと、また並行して海外の方も少しずつ増やしていきたいと思っております。南九州市は、お茶とさつまいもは日本一の生産量を誇る農業の街でもありますし、観光の街でもあります。この、お茶とさつまいもをもっと県外の方に知ってもらえないか、販売できないかということが、私の中で大きな課題だと思っています。もっと B to B向け、B to C向けの事業がもっとできると考えており、そこをなんかテコ入れできないかと常に考えています。
ーどのような企業が南九州市に進出してくれたら嬉しいですか?
農業が盛んな街でもありますので、お茶とさつまいもは日本一の生産量を誇る街でもありますので、そこをもっと B to B や b 2 c などをつなげていただける企業さんとか、あとは農業も繁忙期など人手が足らないとかいうのもありますので、人材系など仕事で呼び寄せていただける企業とか来ていただければ、すごくありがたいと思っております。
また、伝えることにおいても苦手意識があるため、ブランディングやプロモーションの企業に是非来ていただいて、私たちと一緒にこの南九州市を盛り上げていっていただけたらと思っております。その結果、Win-Winの関係になると思います。